ノラと呼ばれた男【弐】

頬を押さえて笑う藍。

自分の感情に素直で、たまに羨ましくすら感じてしまう。こんな素直さが……少しでも自分にあれば……………………




少しは変われていたのだろうか

「ふふっ、イチって不思議!」



「?」



「なんか、ずっと前から知り合いだったような……そんな気がする」




「そう、だね」




「俺の事は藍って呼んでよ、もう友達なんだしさ!ね?」





と、穏やかに笑う藍につられ、自分も笑んでいた。

そして改めて再確認させられた

自分は………………、いや、『私』は…………この場所がやっぱり……………………………………、








「あっ、やば、ちょっと行ってくるね」

と、口を開いたのは藍で。
そんな彼が今、身につけている洋服は……朝と異なりセーラー服。

藍曰く、『朝の服はサイズが、』だそうで。





誰かの妹の制服を、流れで今は着ている…らしい

前言撤回。藍は間違いなく『可愛い』路線で決定な←ぇ



「イチはゆっくりしててね!」


と、急遽、ご指名が入った藍に片手を振って送り出す。

さて、ちょっと静かになったなぁ








なんて思った矢先、

「イチくん、珈琲飲める?」