相変わらず、と言うか予想通りと言うべきか。教室、いや、今はキャバ喫茶だが

大盛況で。狭い空間に集う客。そして、店を回す店員らで人口密度は高く、

今の時間帯が一番ピークでは？と思えた







「皆さん、衣装に着替えたら接客お願いしますね

あ、それと姫川さん見てませんか？」





素早くも覇王メンバーに、先程の衣装を渡し。小首を傾げるクラスメート


「うへぇ。……また着るのぉ？」



「お前は無駄に似合うからいいよな」



「一華ちゃんなら買い出しだって」








と、それぞれが口を開く中、


「え？そうなんですか？


メニューの材料はまだあるんですけど……何買いに行ったんですかね……」



そんなクラスメートの問いにいち早く反応したのは自分で、

「あの、……その一華さんから、伝言預かってるんですけど、」



「「「「…………伝言？」」」」








と、見事にいつものメンバーがハモる中


思い出すのは…………先生に言われた台詞で、









「買い出しは、ですね……このお祭り？が終わった後の打ち上げでの必需品を買いに行く、みたいで、

えと、……皆さんが言っていた『何でも叶える』と言ってた願い事の中にですね、……えっと、





『午後からは休暇を貰いますby姫川』だそうです」








と、いい終わるのと同時に、


店に来ていた男性客から、まさかのブーイング

「はあぁぁぁぁ！？姫川さん狙いで来てたんですけどぉ」



「えー、姫川さん来ないん！？」





と、言う反応とは異なり。化粧ばっちり。香水振りまいた女性陣からは、

「え！？嘘やったぁチャンスじゃん」


「迅さんに近付ける♪」


「え？私、羽音さんがタイプー！」









などなど。飛び交う声はバラバラだが、


少なくとも覇王メンバーは内心、小さく息を吐き安堵のため息を漏らした。


（此処よりは安全だわな）









と。そんな全員の内心の呟きに、自分が気付く事はなく、

「ふふっ、僕、皆さんの邪魔にならないとこでお仕事姿、見ててもいいですか」





満面の笑みを浮かべるのだった