ノラと呼ばれた男【弐】

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【覇王メンバーside】



教室に戻った俺らは、教室を見回した。
居るのは『キャバ喫茶』の店員(クラスメート)と客だけで、

その場は無駄に賑やかだ。


「あっ、お、……おかえりなさい、皆さん」






と、俺らに最初気が付いた田中が駆け寄ってくる。奴もまた普段付けている厚底眼鏡を外し、コンタクトへ。そしてうっすらと塗られた化粧は、定番過ぎるメイド服と似合い。可愛いの一言が当てはまる

そんな田中の一言で、全員の視線が俺らに集まり、




「お疲れ様っす!全員お揃いで」



「あ、嘘嘘ぉ覇王メンバー全員揃ってるー!」



「すんません、戻って来て早々申し訳ないんっすけど店の方、手伝ってもらえませんかー?」









などなどの言葉が飛び交う中、


「ん。分かった。つか、姫川は?」


と、多分この場にいたメンバー全員が思った事を口にしたのは時雨で、

やや眉を顰めている



「え?姫川さん?……見てないけど、」






そんな一言に、迅が直ぐ様、口を開く――――――――――――――


「悪い、此処を任せた。俺は探、」









『探してくる』と言い終わる前に、その言葉は第三者の声によって遮られる事となった。

いつもより、1トーン低めの声

機嫌が悪いのではなく、ただの寝不足だと察したのは……振り返り、背後に立っていた男の隈が何よりの証。


「んな必要ねぇぞ、姫川は今いない」



「竹松、……先生、それって、」








瞬間、嫌な予想が脳裏を過ぎる。

まさか拉致――――――――――――、




と、誰もが『壽』と言う名の男の顔を思い浮かべた時、

それは、あまりにも能天気な声で否定された




「買い出しに頼んだからな、今は居ない」




「「「「……………………買い出し?」」」」

と、見事なまでに声がハモったのは言うまでもなく。