ノラと呼ばれた男【弐】












そして……………………………………、




着替え終った俺は、


「……なんか面が邪魔」

付け慣れていない面を、上から触る。
隠れているのは目のラインまでで、口や鼻は隠れていない。

顔を隠す。とは言ったものの、ただの気休めでは?と、疑い半分で全身鏡を見て息を飲む。








あ。これ、まじで『私』か『俺』かも分かんねぇ

仮面のデザインはいたってシンプルで、右側は白色。左側は黒色の作り。だが、逆にいうと『出し物に参加してる普通の、何処にでもいる学生』みたいだ

まぁ、うっかり殺気とか出さなければ。の話だが



「因みに、どこら辺を見て回るつもりだ?」



「ん。一応校内を軽く見回った後は……極力『覇王』の近くにいる予定」




「なら、姫川の姿が楽だろうに」




「だって、ほら、その姿だと暴れらんないっしょ?」







ね?と、笑めば。

『お前だけは敵にしたくないよ』なんて言われたが、その台詞、そのまま返すよ




「んで、覇王の近くに居る。って事は遠くから見守んのか?



つか、さっきの連中もそうだが…………何かヤバイもんが動き出したか」





『さっき』と言うのは、間違いなく、つい先程相手をした輩の事で。

まだ詳しく話していなかった事を思い出す



「いや、見守るっていっても尾行したら怪しまれるし……考えたんだけどさ」



「?」








と、一端、言葉を切り、悪戯な笑みを浮かべて告げた――――――――――――







「直接『ただの生徒』として動向しようかと」



そして、そんな突拍子な一言に竹松先生は目を丸くした。

は?と、言いたげな表情が可愛いとか口が裂けてもいいませんけど




「…………いや、待て。ちょっと待て」




「ん?」




「本気で接触するのか」