ー昔々、あるところの名もない小さな国のお城の話ー

「おはよう」
彼女は俺にそう挨拶をして足早に廊下をかけていく。
毎朝毎朝元気なことで御苦労様ですね。
城が賑やかで住みにくいのは彼女、この城の姫様が原因だろう。
俺は賑やかなのは嫌いだ。他人も嫌いだ。

ー彼は人付き合いを嫌う、若いこの城の兵長だー

「おはよう」
私は彼にそう挨拶をして足早にかけていく。
なぜ足早かって?それは私は彼のことが好きだからよ!

ー彼女は少しワガママなお姫様ー

【これから話すお話はこの二人が結ばれるまでのお話】