「……ほんとムカつく」
ボソッと聞こえた声と同時に突然、身体を引き寄せられた。
な、なんでわたし青井くんに抱きしめられてる……?
頭の中でプチパニック発生。
「あお……いくん…?」
ふんわり、柑橘系の匂いに包まれる。
━━━ドキッ……
男の子に免疫のないわたしは、こんな風に抱きしめられるだけで、胸がドキドキする。
全然ダメ……こんなことで、頭の中が爆発してしまいそうな、単純な自分をどうにかしてほしい。
「そっちがその気なら、俺も遠慮なく攻めるよ」
「な、何言ってるの……?」
スッと抱きしめる力が弱まったと思ったら、青井くんの指が顎にそえられて。
「……ドキドキしてる?」
「っ、」
してないって、言ったら嘘。
だけど本当のこと口にするなんてできない。

