そのまま、昨日のことはすっかり忘れたのか、いつも通り眠そうでやる気無さそうな知紘の様子に拍子抜け。


……したのも、つかの間で、スッとわたしの制服のリボンをとって、首筋を見つめながら。


「あ、綺麗にあとついた」

そんなことを言っていた。


「あとって、何かつけたの?」


とられたリボンを直しながら聞くと「内緒」って言われてしまった。


そして、そのままいつも通りふたりで学校に登校してきた。


「あ、華おはよ」

「おっ、珍しく今日は早いじゃん」


「バカにしてるでしょ!」

「あは、バレた?」


確かに今日はいつもより早いけれども、始業時間の1分前。


それを、わかってて華ってば。


「相変わらず小波くんとラブラブしちゃって」

「だからーラブラブなんかしてない!」