いつもの知紘とは違った……。
こんなに艶っぽい表情をするなんて……。


おかしい……。

さっきの首筋の痛みと、触れられた唇の感触が忘れられないなんて……。


「顔真っ赤」


さっきから、心臓の音がドクドク速く動いて、無駄に音を立てながら、静まらない。


身体全身は熱を持っているのに、指先、足先は冷たい変な感覚。


知紘に触れられたことで、いつもと違う感覚に襲われて、自分が自分じゃないみたい……だ。


なんで、知紘に触れられるなんて、慣れているはずなのに……。



「……少しは男って意識した?」


いま、この瞬間だけは違った。
幼なじみとしてじゃなくて、ひとりの男の子だった。


「……それ、隠しちゃダメだから」



いま、このドキドキは雷のせい……?


それとも


知紘のせい……?


これって一体なんですか……?