ピタッと知紘の背中にくっついた。


「ちひろ……?」


大きくてガッチリした背中……普段ダボッとしたセーターしか着てないからわからなかったけど、近くで触れるとわかる。


「……煽んないで頼むから」

「煽ってないよ」


「無自覚とかタチ悪すぎだから」

「無自覚じゃないよ」


はぁ、とため息が聞こえたと同時に、ドサっと身体がベッドに沈んだ。


「美依さ、わかってんの?」

「な、なに……?」


上からわたしを見下ろす瞳が、
いつもより艶っぽい。

まるで、何かを欲しているような……そんな瞳……。


「ここ、ベッドの上だけど」

「わ、わかって……」


「わかってないから言ってんの」


プツリ……と音を立てながら、知紘の指がわたしの部屋着のボタンを一つはずした。