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「ねぇ、知紘」

「ん、なに」


時刻は夜の11時を過ぎた。真っ暗の中ふたりっきり。


「なんでそんな離れて寝るの?」


あれから、知紘の様子がおかしい。
結局あのあと、何もなく終わったけど、なんだか冷たくされてるような気がするのは気のせい?


今だって、せっかく一つのベッドに一緒に寝てるのに、端っこの方に逃げて、おまけに背まで向けられちゃってるし。


「僕だっていろいろ我慢してんだけど」


ボソッとそんな声が聞こえた。


いつもなら一つのベッドで一緒に寝るなんて無いけど、今日はわたしが一緒に寝て欲しいってお願いした。


今日だけは……ひとりで寝るのが怖いから。


わたしのお願いを断れない知紘は渋々了承。


だけど、こんなに離れてたら一緒に寝てもらう意味ないじゃん。