「それを超えなきゃダメみたいだね」


一言またボソッとつぶやいて、今度はハハッと笑っていた。


「そうだ、幼なじみくんに言っといてよ」

「?」


「油断してたら簡単に奪うからって」


油断?簡単に奪う?
ん、なんのことだろう?


「えっと、それってどういう……」

「じゃ、また明日ね美依ちゃん」


「えっ、あ、ちょ青井くん!」


よくわからない言葉を残したままその場を立ち去っていってしまった。


残されたわたしの頭の中は、はてなマークでいっぱい。


知紘に言えばわかるのかなぁ?
青井くんからの伝言だよってさっきのこと伝えればいいってこと?


うーん、ますますわからない。

謎が解明しないまま、その日は家に帰った。