「知紘!!起きなさーい!」


部屋に入るなり、大声で幼なじみの名前を叫びながら部屋のカーテンを一気に全開にする。


「………」


わたしの声に反応して、モゾモゾと布団の中に隠れていくのが見える。


「こらっ、逃げるなぁ!」


知紘が眠るベッドに近づいて、潜っていった布団を思いっきり取り上げる。



「ん……うるさい」


そう言いながら、愛用の抱き枕を抱きしめて、まだ眠る気満々。


「もう朝ですよ知紘くん?」


「……美依ってバカなの?」


ははっ、朝からバカ扱いしてくるとは。こいついい度胸してる。



「何言ってるのかな知紘くん」


若干キレ気味の口調で、満面の笑みを向けると。


「……僕が眠いんだから朝なわけないでしょ」


む、むちゃくちゃだ。こいつ言ってることむちゃくちゃすぎる!!


「僕が眠くないときが朝なの」