ふと、さっきまで夢中になっていた方に視線を戻すと、もうそこに知紘たちの姿は無かった。
あぁ…肝心の気になっていた知紘の返事が聞けなかった。
なんかモヤモヤしたまんまだなぁ……。
はぁ、とひとつため息をつきながら教室に戻っていった。
「あ、おかえりー。遅かったね。購買混んでた?」
教室に戻ると華がお昼を食べずに待ってくれていた。
「えっと、そんな混んでなかったけどいろいろあって遅くなっちゃった。ごめんね」
「ふーん、そっか。じゃ食べますか」
わたしの目の前の席は誰もいない。
ぐるりと教室全体を見渡すけど、どこにも知紘の姿はない。
いつもならそんなたいして気にならないのに……。
もしかして、さっきの女の子と今もふたりで一緒とか?
それともどこかでフラフラしてるだけ?

