「……ねぇ、美依?」

「な、なぁに?」


また、こうやってわたしに近づいてきて、そのたびに動揺する自分がほんとに恥ずかしい。


スッと自然に指を絡めてきて


ジーっと見つめて


器用に唇を指でなぞりながら


妖艶な笑みを浮かべて



「美依の唇食べてもいい?」


「はっ、ちょ、何言って……っ」


こんなことを言いながらキスを落としてくる知紘は確信犯。


言葉通り、啄ばむようなキスをしてくる。


離れては、くっついて。
離れた時に息を吸おうと思っても
すぐ塞がれてしまう。


「もう……っ」


知紘の行動一つ一つにドキドキさせられてしまうのが悔しい。