「だ、だから……知ってたらちゃんと断ってたの…っ」


「うん、で?」


そうやってわざと冷たくして、突き放して。きっと、わたしに言わせるつもりなんだ。


知紘じゃないとダメなのって。
わかってるくせに。


「ち、知紘じゃないとダメなの…っ」


最後に自分の赤くなった顔を隠すためにギュッと抱きついた。


すると、フッと声が聞こえて



「よくできました。僕も美依じゃないとダメ」


それからその日、知紘の家にお泊まり。


もうずーっと離してくれなくて、寝るまでとても大変だった。


「……僕ってけっこー独占欲つよいかも」

なんて言いながら、独占欲全開でわたしを離してくれなかった。