すると、何やら知紘の肩がピクッと反応したのがわかる。
そしてすぐさま、わたしを離したと思ったら
なにか気に入らないことがあったのか
一気に顔色が曇った。
「ちひろ?」
「……なんか香水の匂いがする」
ま、またしてもわたしはやってしまった。
さっき自分でも気づいていた、河本くんの香水の匂い。
こんな至近距離でいたら、知紘だって気づくはずなのに、やってしまった…。
「ちょ、ちょっと着替えてくる!」
それはもう不自然すぎて、慌てて着替えに行こうとする。
だけどそれを見逃すわけもなく。
「はい、逃げるのダメ」
そのまま壁にドーン。
これは何があったか言うまで離してもらえそうにない。

