「美依のお母さん今日遅くなるって」
「え、そうなの?」
「うん、だから美依のことよろしくって鍵もらった」
「あ、そうなんだ」
なんだ、じゃあ連絡くらい入れといてくれればいいのに。
ふぅ、と一呼吸置いてから
「じゃあ、わたし着替えてくるね」
そのまま、その場を立ち去ろうとしたけど
「……まって」
動きを止められて、振り返ると真顔でこちらをジーっと見つめる知紘。
「え、どうしたの?」
「……なんかいつもと違う」
「なにが?」
「美依が」
いつもと違うって、別にいつもと何にも変わらな……
あっ、しまった。
さっきまでメイクを落とすことが頭の中にあったのに知紘が家にいることに驚いてすっかり忘れていた。
しまったぁぁ…メイクしたままだ!

