こうして知紘の許可が下りて、華とふたりで出かけることになった。


行き先は教えてくれず。
とりあえず付いてきてくれればいいとしか言ってくれない。


そんな華と電車に乗っている時


「なんかさ、付き合い始めてから溺愛度が増してるよね小波くん」


「え、そうかな?」


もうだいぶ前になるけど、華には知紘にちゃんと気持ちを伝えて、無事に付き合えたことを話し済み。

もちろん、青井くんのことも。


「ただでさえ美依のこと大好きなのに最近はそれが増してるわ」


「えへへっ、それだったら嬉しいな」


「うわー、幸せそうな顔しちゃって」


それからいろいろ話していたら降りる駅に着いたみたいで。


すぐに目的地に行くのかと思ったら


「はい、そこに座って」

なぜかベンチに座らせられた。
華も隣に座るのかと思ったら荷物をそこに置いて。


「ほら、可愛くするからじっとしててね」


「え?」