視界が滲んで、頭がくらくらする…

そして追い討ちをかけるように


「……よかったじゃん。あいつとうまくいって」


どうして……切なそうな顔してそんなこと言うの……?


違うのに……わたしと青井くんは何もないって

そう伝えたいのに、声が出ない。

喉の奥が詰まって苦しい……。


ただ、その場に立ち尽くして

追いかけたい背中がどんどん小さくなっていく……


「うぅ……っ」


その場に力無く座り込み、ポタポタと雫が落ちていく。

何もかも失った時の悲しみは苦しくて重い。わたしにとって知紘は失いたくない存在だったのに。



もう、いない……。

もう、この距離は取り戻せない……。