「会ったでしょ、知紘くんに。美依のこと必死に探してたのよ。まだ帰ってきてないってわかった途端、顔色変えて飛び出して行って」


「っ……」


「何度もお母さんのケータイに電話かかってきたのよ?美依帰ってきましたかって、連絡ありましたかって。

それからもずっと外で走り回って、美依が行きそうなところを自分で考えて、わたしやお父さんにまで聞いて。ずっとあなたのこと探してたのよ?」


あぁ……わたしは何をやっていたんだろう……。


こんなにも、こんなにも知紘はわたしのために……っ。



「あなた、本当に知紘くんに大切に想われてるのね。お母さんびっくり」


「もう……ちひろそばに…いてくれないの……っ」


「え?」


「わたしが…全部わたしが悪いの…っ」


そのままお母さんの目の前で子供のように泣いた。


そんなわたしを見て、何があったのかわからないお母さんは戸惑っていた。


そして、その日は泣きながら考えるのは知紘のことばかりで


気づいたら眠りに落ちていた……。