少し……ほんの少しだけ触れた…。
離れたあと何がどうなっているのか、思考は完全に停止状態……。
ま、まって……
いま確かに……
「……ごめん、こんなことして」
触れた……唇に残る熱がまだ冷めない。
「な、なんでこんなこと……っ」
どうして青井くんがこんなことするのかわからない。
頭の中はごちゃごちゃ……だけどこんなこと青井くんにはされたくない。
だから、自然と涙が頬を伝う。
そして、それを無かったことにしたくて唇を必死に擦る。
なんで……なんで……っ。
「そんなことしたら唇が切れて……」
「……なんで、なんでこんなことするの……っ!」
止める青井くんの手を振り切って必死に残った感触を消そうとする。
そんなわたしを見て、一瞬顔を歪めて
「好きだから……美依ちゃんのことが本気で好きだから……」
少し大きめの声で……だけど、最後の方は小さめで弱々しく聞こえた。

