「あ、青井くん……?」
ふたりっきり……誰もいないこの空間が妙に緊張してしまう。
ほら…、胸が騒いで頭の中はフル回転で。思考が追いつかない。
「……ねぇ、美依ちゃん」
「な、なにかな?」
少し身体を離して両肩に青井くんの手が乗せられて。
スゥッと深呼吸をして下を向いている青井くん。
「……ひとつ、だけ」
「え?」
ボソッと呟いた声が拾えなくて、
そのまま駅のアナウンスがホームに聞こえてきて、
電車の光がこちらに近づいてくる。
「美依ちゃん……」
「え、青井くん何言ってるか聞こえ……」
アナウンスが聞こえてから、すぐに
電車がホームを通過する前
大きな影がわたしの目の前に覆いかぶさって……
電車の音でかき消されそうになる寸前……
「━━好きだよ、美依ちゃん…」
電車が通過したと同時に、
ふたりの距離がゼロになった……。

