この手を振りほどきたいのに。
「っ、」
それをさせないような……そんな表情をするなんてズルイ……。
「……今だけは俺を見て」
真っ直ぐな視線と、グッと握られた手から伝わってくる真剣さ。
それを振りほどけなくて、
そのまま、その場に腰を下ろした。
大丈夫……連絡ひとつしなくったって、もう高校生だもん。
きっと、家に帰ってみれば、お腹すいたって不機嫌になってるだけ。
だから、今日は帰ったら知紘の好きなものを作ってあげよう。
そしたらきっといつもみたいに機嫌直してくれるはずだから。
それに昔みたいに、そんな必死になることなんてないだろうし。
そう言い聞かせて
ホームの画面を真っ暗に戻した。

