完全に知紘だと思ってた。


「せっかく美依ちゃんをデートに誘いに来たのに」

「でーと…?」


「そ、デート」


「……で、デート!?!?」


いや、わたしデートって単語に異常に反応しすぎじゃないか!?


自分で今のリアクションはやりすぎだって心の中で思った。


それは青井くんも一緒で



「ふっ、そんな驚く?」


わたしのリアクションに笑いが止まらないみたい。


「お、おおお驚くよ!!」

って、動揺しすぎだわたし!"お"の数多すぎだし。


「まあ、驚いてるところ悪いんだけどさ、あんま時間ないから早くいこっか」


「え、ちょっ、」


まだ、目の前の状況が理解できていないのに、青井くんはわたしの手を引いて


「幼なじみくんが邪魔しに来ないうちにね」


教室をあとにした。