なんだか、どっと虚しさに襲われた。
唇にそっと手を当てる。
あの日の感触がなかなか消えてくれない。
どれだけ忘れようとしても忘れられない。消そうとしても消えない感触……。
わたしがこんなにも変なのは
ぜんぶ
ぜんぶ
知紘のせいなんだから……。
意識しないようにすればするほど、意識して空回り。
いつもみたいに接したいのに、知紘が変なことばっかり言ったりするから、それにいちいち反応して、いつも通りなんかいかない。
「制服はだけたままだけど」
ボーッとひとりでそんなことを考えていたら知紘がそばに寄ってきていて。
「少し見えそう」
「っ、み、見ちゃダメ……っ!」
すぐさま手で隠して、背を向けてボタンを全て閉じた。

