「っ、」
まさに、図星を突かれて、言葉を失って、思いっきり動揺した。
どうしてこんなに余裕がないんだろう……。
「ふっ……図星?」
上から見下ろす知紘の声は、余裕がないわたしをからかうようにも聞こえる。
スッと、髪に知紘の指が絡む。
それに反応してピクッと身体が跳ねる。
「髪に触れただけなのに反応しすぎ」
変なの……この前から、知紘の近くにいて、触れられると、落ち着かない。
どうしてこんなに、意識してるの…?
「は、離して……っ」
もうこれ以上そばにいたら、自分が自分じゃなくなるみたいで……。
この距離に心臓がもたない……。バクバク……うるさい……。
これじゃ、知紘にも聞こえてしまう。

