知紘の視線が

知紘の触れる手が

知紘との距離が



………すべて熱い



「……美依の頬すごく熱い」


そんな風に触れないで、囁かないで…


意識し始めた途端、もう前の自分には戻れない気がした。


今まで幼なじみとして、接していたのが、もうできなくなるような気がして



「そ、そんな風に……触れないで…っ」


もう、ダメ……


幼なじみなんて関係に戻れない……



「……ねぇ、美依」


掴んでいた手首をスッと離した。


さっきまで、抵抗しようとして、逃げようとしていたのに……


今はもうそんなこと考えていない……



そして、そのまま知紘の綺麗な指がわたしの唇を指でそっとなぞる……


「……もう幼なじみじゃいられない」


全身がドクッと震える……

もう……幼なじみの知紘はいない…


そう訴えかけられてるみたいで……


ふたつの影が重なる寸前……



「……好きだよ、美依」


甘い囁きと


甘いキスが落ちてきた……