こんな騒がしい中よく寝れるもんだ。


しかもこの自由人、授業中ほとんど寝てるくせになぜか超がつくほど頭が良い。

いつもカバンの中は空っぽ。教科書を持って帰ってるところなんか見たことない。


これがほんとの天才ってやつか。



「小波くんって彼女とかいたりするの?」

「たぶんいたことないかなぁ」


「えぇ、もったいなーい。こんなイケメンそんなにいないのに」


こんなやる気ない、どうようもないやつのくせにルックスがよくて無駄にモテる。


透き通った、綺麗な黒の瞳。
無造作に跳ねた、暗めの茶色の髪。
シュッとした、顔立ち。

顔のパーツどれをとっても、悪いところが見当たらない。



昔はわたしより小さかった背も、今ではあっという間に追い越されてしまった。