お店に行った日から1週間が経とうとしていた



でも、未だに進展はなし





「最近クロちゃん倉庫にいる時間少ないよね〜?」



「せやせや。
俺たちがどんだけ苦労して翔のスパルタ教育に耐えとるか……。
クロがおったら少しはマシになるかもしれんのに……。」



「なるわけないでしょ?
その瞬間2人の留年は確定するんだからね?」





翔がやれやれと首を降る





「そう?
ただ、大輝や翔みたいに頭良くないから家に帰って勉強してるの。」



「ここで一緒にやろうよ〜。」



「凜。2人の出来の悪さがお嬢さんに移っちゃうでしょ?」



「えぇ〜!?」





みんなの目をかいくぐってあのお店に行くには一苦労だった



翔がいなかったらとっくにバレてしまってるだろう



それでも……



ちらっと大輝を見る



大輝は翔たちをただ見ていた



きっと大輝には勘づかれている



それでも何も聞かないのは……大輝の優しさ





「じゃあお嬢さん。
そろそろ帰ろうか。」



「あ、うん。じゃあまたね。」





私と翔は今日もあのお店に向かう















「ねぇ、何で最近は大輝じゃなくて翔がクロちゃんを送ってるの〜?」



「確かに珍しいな?
なんや、クロに嫌われたんか?」



「……クロ、フリー?」



「なわけないやろ。
それやったら大輝きっと泣いとるで。」



「え〜それはないでしょ〜。
きっと家にこもってるよ〜。」



「お前ら、黙ってればごちゃごちゃ言いやがって。
さぁな。
俺は翔に頼まれたからそうしただけだ。
……少し出てくる。」