「ううん。
手がかりがあるだけでも充分だよ。
ありがとう。」
「それで、大輝たちには何て言うの?」
「家で勉強するって言うつもりだけど……。」
ばれそうな気がする
「じゃあ、テストまで俺が送ってあげるよ。
それに、最近REDMOONの情報が漏れてるみたいだからね。」
「え?」
「闇討ちにあってる下っ端が増えてるんだ。
大輝にはお嬢さんに言うなって言われてたんだけど……REDMOONの中に裏切り者がいるかもしれないんだ。」
裏切り者……?
こんなに仲良くてあったかい人たちの中に?
「そんな顔しないで。」
翔は私の顔を覗き込んで困ったように笑った
「大輝はお嬢さんにそんな顔してほしくないから言わなかったんだと思うよ。
お嬢さんがここが好きなことは分かってるから。
仲間を疑うなんてことさせたくなかったんだ。」
「でも、」
この中にみんなを傷つける手伝いをしてる人がいるなんて
そんなの……信じたくない
「お嬢さん、大丈夫だから。
俺たちもいないって信じてる。
もちろん誰もお嬢さんを疑ってもいないよ。」
「……うん。」
「じゃあ分かるまでは俺が送っていくから。
ね?」
その人は知っているのだろうか
シロ兄が今どこにいるのかを
本当の私を
裏切り者はどうしたいんだろうか
この場所を壊すことだけはさせない


