「え?この街で一番色んな事に詳しい人?」
「うん。」
この街の人のことを聞くなら翔が一番だと思った
クラス全員のことを調べあげたくらいだし
それに……約束したから
「それで、その人にお嬢さんはどんな用があるの?」
「……聞きたいことがあるの。」
翔はしばらくじっと私を見ていたけれど、困ったように笑った
「そっか。
あまり詮索しないでおくよ。
それに、俺に相談してきたってことはちゃんと約束守ってくれたんだね。」
「約束、したからね。」
「じゃあ俺も約束を守るよ。
大輝たちには言わないでおくね。」
「ありがとう。」
そういうと翔は少し考え込んで、メモ用紙とペンを取り出し、何かを書き始めた
「1人ね、いるんだよ。
本当に何でも知ってる……情報屋って言われてるけど。
でも滅多に会えないんだ。
俺も一時期探し回ったことあるけど見つけられなくてね。」
手渡されたのは住所とお店の名前
「俺が知ってるのはたまにここにいるってこと。
でも、あまり期待はしない方がいいかな。」


