「……僕は、兄さんに憧れていたんだ……っ。
ずっと……ずっと兄さんのことを探して、考えて……。

あの時、涼の前に立っていた兄さんの背中が悲しそうで……兄さんが嘘ついてることなんてすぐに分かった。
僕にも……兄さんの痛みが流れてきたんだよ?



兄さんはいつだって僕の瞳を見てくれていた。



その瞳に、僕を映してくれた……っ。



でもあの時は……あの時だけは僕を映してはくれなかった。


それがずっと悔しくて……兄さんに嘘をつかせてるのは僕なんだと思った。




ずっと知りたかったんだ……っ。




どうして嘘をつかなきゃいけなかったのか。

どうして兄さんが僕を頼ってくれなかったのか。



ねぇ、兄さん……。
僕は……ただの弟だったのかな……?
頼りがいがなかったから……」



「そんなことないっ!!
昴が誘ってくれたから、俺もこの世界が好きになった!!


だからこそ……守りたかったんだ……っ。
涼も昴もBlue skyも。


あの時、何も言えなくてごめんね。


昴を巻き込みたくなかった……。


もう涼を巻き込んでしまったから。


俺1人の犠牲で大切なものが守れるなら、それで良かったんだ……。


だから、昴のせいじゃないよ。」





そう言って翔は……いつものように微笑んだ





「兄さん……ごめん、本当に……ごめん……っ。」



「もう大丈夫だから。泣き止んで。」



「く……っ、うわあぁぁあっ!!」





大切なものを守るために身を捧げた翔の時間も



翔を支えたいとひたすらに願った昴くんの時間も



それはきっと2人にとって必要だった



やっと……やっと繋がるんだ



この2人のすれ違っていた時間が