扉を開けた瞬間……
押し寄せてきた人の波に思考が停止した
「キャアァァア!!!
REDMOONの皆様がっ!!」
「相変わらずかっこいいっ!!」
「藍羅様ー!!浅葱様ー!!」
なんで凜たちがやりたくないって言ったのか理解出来た
これが嫌だったんだね……
お客さんはみんなREDMOONに集中していて、私はそっとみんなを見守る
凜なんか女子に埋もれて見えなくなってるし
「凄いなぁ……。」
感嘆の意味も込めて呟くと、女子が振り向いた
「あら、この人もかっこいいわ……っ!!
ポニーテールなんてイケメン!!」
……なんか……嫌な予感がする……
それをきっかけに、わたしのところにも女子が押し寄せてきて
同性に迫られるってどういうことよ……っ
「お名前はなんて言うんですか!?」
「あの、指名したいんですけどっ!!」
落ち着け、ここは冷静に
口調は男の子っぽく、キャラは爽やか系で、最後は少し微笑む
麻里が言っていたことを思い出す
「どうもありがとう。クロハって言います。
ご指名、お待ちしていますね。」
最後に少し微笑むと、なぜか発狂された
本当に効果あるんだ……
それに、こんな近くに寄られても女だって気づかれないなんて
麻里の技術を凄いと思うと同時に、少し惨めになった
今日は大変な日になりそうだ……


