ぶらほわバタフライ



中はちゃんとお店風に仕上がっていて、クラスメイトたちも最後の準備をしていた



キャバ嬢役の女子たちはドレスを着て



ホスト役のみんなもスーツを着ていて



そんなみんなを見ていると、ふとみんながこっちを見る





「……え、もしかして……クロちゃん?」





興味津々に見てくる凜





「そ、そうだけど……。」



「こりゃ見事に美少年って感じやなぁ。」



「……いいと、思うよ。」



「うん、お嬢さんじゃないみたいだね。
ね、大輝?」





チラッと大輝を見る



髪をアップにセットして、いつも以上にキリッとして見える瞳も、全部がかっこよくて



いつもと違う大輝に目を奪われる





「あぁ、似合ってる。」





そう言って微笑んでくれた



それに合わせて私の顔が火照る



みんなの前で、そんな瞳で見ないで……



あぁもう、恥ずかしい……っ





「よし、今日は全員で成功させよう!!」





クラスの男の子が叫ぶと、みんなも一体となった



私たち接客は入口に並んでスタンバイする





「クロ。」



「なに?」



「気をつけろよ。」



「なにが?」





首を傾げる私に、大輝は少し呆れたような困ったような顔をする





「あんまり他の奴に近づくなって言ってるんだ。
何かあったら俺に言え。」





それだけ言うと、大輝は持ち場についた



やきもち……妬いてくれてるのかな?



大輝って意外に可愛い



そう思ってもらえるだけでこんなにも満たされるのは、私だけだろうか





「さぁ、開店しまーす!!」