今日は待ちに待った学園祭
いつもより学校全体がざわついている気がする
まぁでも、準備期間も結構楽しかった
麻里と一緒に買出しに行ったり、お喋りもした
「じゃあクロちゃん。
そろそろ着替えよっか。」
「いいよね、麻里はキッチンで。」
「だ、だって……料理とか出来る人少なかったから。」
「私も麻里と一緒が良かった……。」
麻里はお菓子作りとか裁縫が趣味らしく、今回はキッチンを任されたんだとか
うん、さすが女子力高い
「……仕方ない、覚悟を決めよう。」
もう今日まで来ちゃったんだ
この際だから、イケメンになってやろう
「じゃあ、外で待ってるから声掛けてね。
セットとかもやってみるから。」
「はーい……。」
「……これはダメだ。」
なんか、ちんちくりんになった
「クロちゃん、終わった?」
「と、とりあえず……。」
そう言うと、麻里はそっと空き教室に入ってきた
だけど……
「あのー……麻里?
無言で顔赤くしないでよ。
そんなに笑うの堪えるほどおかしいかなぁ……?」
手で顔を覆っている麻里は、おそるおそる目を開けながらボソッと呟いた
「……か、かっこいい……ですっ/////」
え?
「いやいや、嘘でしょ?
だってこんなちんちくりんだよ?」
「美女は美男にもなるってこのことを言うんだね!!」
なんか瞳をキラキラさせ始めた麻里
「え、えっと麻里……?」
「あとは私に任せて!!
口調は男の子っぽく、キャラ的には爽やか系で、でもちょっとミステリアスに微笑んで……。」
ぶつぶつと呟きながら、目にも止まらぬ速さで髪をセットして、カラコンを入れていく麻里
私はみるみる変身させられ、麻里曰くイケメンになれたらしい
廊下に出ただけで、なぜか注目を浴びている
「みんなどんな反応するかなぁ!!
きっとビックリするよ!!」
麻里は未だに瞳をキラキラさせている
「……そうだといいけど。」
教室の扉に手をかけ、開く


