そして私たちは学園祭の準備期間に入った





「誰かガムテープ知らない?」



「そこの木材取ってー。」



「誰だよメニュー候補に"すき焼き(関西風)"とか書いたやつ!!
家でやれ!!
ていうか関西風ってなんだよ!!」





……うん、すごい高校生っぽいなぁ



クラスみんなバタバタ走り回ってて忙しそう



まぁでも、こんなのもいいなって



いや、本当はこれが普通なのか



REDMOONのみんなと過ごすようになってそんな普通とも遠ざかっていた



でも、私はこれで良かった



みんなと出会えたことに後悔なんてしてない



私には、こっちの方が合ってる





「クロちゃんは何やってるの〜?」



「んー、とりあえず教室の飾り付けかな。」



「とりあえずってなにさ〜。」





そういう凜や顔がペンキだらけ





「その顔……ふふっ、どうしたの?」



「笑わないでよ〜!!
慧たちにやられたんだもん!!」





凜の後ろに見えた慧と紫苑を見ると、こっちを見て笑っていた



そうだよね



そんな感じがしたよ





「ちゃんとお手伝いするんだよ?」



「も〜僕はやってるもんっ!!
でも頑張るね〜。」



「うん、いってらっしゃい。」





ぱたぱたと慧たちの元へ走っていく凜



笑いながら作業してるのを見ると、普通の高校生なんだなって思う





「あ、あの……八雲さん。」





呼び方に違和感を覚えて振り向いてみればクラスの女子がいて



確か向井(ムカイ)さん





「どうしたの?」





結構大人しめの女の子だった気がする





「あ、あの……服の採寸を……。」





あ、忘れてた