「俺も少しは近づけたということか。」





そう言って大輝は少し微笑んだ





「俺にとってのクロは、今のお前だ。
例えクロが消えそうになっても俺が見つけてやる。
どんな暗闇からだって俺が引きずり出してやる。

自分を見失うんじゃねぇ。

女のくせに突っ走って俺たちを笑って振り回す、それが俺たちの知ってるクロだ。





俺が愛したたった1人の女だ。」





その言葉が、私の恐怖を優しく包み込む





「それに、俺たちの知らねぇクロが出てきたら知っていけばいい。
絶対に思い出せねぇ記憶なんてねぇよ。

その記憶は今もお前の中にちゃんとあって、必要になった時にはちゃんと思い出せる。

記憶っつーのはそういうもんだろ。」





大輝はそっと私の頭を撫でた



本当に大輝は、優しさで出来てるんだなって思った





「ありがとう。」





大輝が傍にいてくれて本当に良かった



すると、大輝は私の顔を覗き込んで





「な、なに?」





顔が……近い



また暴れ始める私の心臓



聞こえてませんように……





「落ち込んだりするのはお前らしくねぇ。
それに、今回は俺を頼ってくれた。
だから……」










そう言って大輝はゆっくりと近づいて……私の額にキスを落とした










「これは慰めとお礼だ。」





……な……っ!!



いま……っ、今、キスっ!?



額に手をやり、声が出なくて大輝を見る



頭は真っ白なのに、ばくばくと心臓の音だけが響いて



顔を背けた大輝の耳が赤いことが、また私を刺激する



自分でしといて恥ずかしがらないでよっ/////





「なにやってる。そろそろ行くぞ。」



「ふふっ。」





大輝が差し出した手を握る



大輝からもらう熱は忙しなくて……でもとってもあったかい