「それに……?」



「学園祭のは、まぁなんだ……お前をあまり見せびらかしたくねぇんだよ……。」





見せびらかしたくない……?



大輝の腕をかいくぐって顔を上げる



大輝の顔がなんか……赤い?





「……だから、お前を他の男が見てるって思うと、イライラすんだよ。」





え、それって……





「やき、もち……?」





大輝は目を逸らしてポツリと言った





「……悪ぃか。」





その瞬間、私の顔に熱が集中した



赤くなってるの絶対バレてる……っ










「俺は、お前が好きなんだろう。
それじゃ不満か?」










好き……?



大輝が、私を……っ?



その真剣な眼差しに、私の中で何かがカチリと嵌った



初めてREDMOONに私を入れてくれた時、
この人が見つけてくれて良かったと思った



凜と誘拐されて大輝に抱きしめられた時、
もうこの人には心配かけたくないと思った



大輝からピアスを貰った時、
この人に認めてもらえたと思った



そしてあの暴走の車の時、
この人の傍にいたいと思った








あぁ、そうか……








私は、大輝のことが好きなんだ……








ドキドキした意味も大輝に惹かれた理由も、全てが嵌った時なぜか私の瞳から涙が流れた





「……クロ……?」



「あ、あの……っ」



「……そんなに、嫌だったか?」





親指でそっと私の涙を拭ってくれる



そんな優しさも……好き





「ちがっ、違うの……っ。嬉、しくて……」





大輝が目を見開いて、その後そっぽを向いた



でも、ほんのりと赤い耳を見て照れてるんだと思うとなんだか笑えてきて



いつも逞しいくせに意外とシャイなところも好き





「……くそ……あんまそういうこと言うんじゃねぇ。」



「そ、そもそも大輝が急に言うからっ。」



「……伝えとかねぇとって思ったんだよ。
今まで人のことなんて興味ねぇって思ってきたが、REDMOONやお前のことは興味ねぇじゃダメだって思った。」



「そっか……。」



「それで、クロはどうなんだ?」



「え?」



「ちゃんとお前の口から聞かせろ。」



「……す……き……っ、」



「あ?よく聞こえねぇ。」





そう言って不敵な笑みを浮かべる大輝



絶対からかってる……っ!!





「もういいっ!!」