暴走や慧のことなどごちゃごちゃした夏休みも終わり、二学期が始まった



久しぶりの学校だなぁと校舎を見てしみじみと思う





「なんで夏休みってこんなに短いんだろ〜。
全然遊び行けなかったし〜!!」



「別に毎年こんなものでしょ。
暴走とパーティーの準備で忙しいからね。」



「そんなら、その分冬休みは遊び放題やな!!」



「……雪合戦、雪だるま、あとかまくら……。」





紫苑、それ雪降らないと出来ない遊びだよ



12月に降るところなんてそうそうないよ?



まったく、この人たちは呑気なんだから





「ったく、お前らは。」





ほら、大輝だって呆れてる



……あれ?



何だか、大輝が同じこと思ってるってことに、少しだけ……ドキドキした


















「さぁ、学園祭のこと決めるよー。」





この学校にも学園祭なんてあったんだ



そういえばみんなと出会ってからちょくちょく学校行ってない気がするけど……単位大丈夫かな?





「クラスの出し物ってみんなも出るの?」



「まぁね。
ここは行事とテストさえ参加していれば進級出来るから。」





知らない事実



しかもてっきり面倒くさがって出ないかと思ってた





「ただ、これが結構大変なんだよね〜。」



「憂鬱や……。」





そう2人が言った意味は、すぐに分かった

















「ねぇ。」





黒板を見て呆然とする





「なんで……私が男装しなきゃいけないの?」





なぜか私は男として学園祭を迎えなきゃいけなくなった



言っておくけど私は女の子だ



司会役をしていた男の子が申し訳なさそうに言った





「売上を伸ばすにはREDMOONの人たちに出てもらわなくちゃいけなくて……。
交渉したら八雲さんがやるならって……。」





おい、お前ら



何勝手に言ってんのよ





「だってクロちゃんいないとつまんないし〜。」



「……男が寄ってくる。これなら、安心。」



「俺たちといっしょにおれば心配いらんしな!!」





だあぁ……ホントにこいつらは……



しかも出し物、ホストとキャバクラの融合物だし



確かにキャバクラは嫌だけども!!



だからってホストになるなんて……



あのいじめの件もあるし……





「……分かった。」





それでも、こっちを見る茜先生の視線には耐えられなかった