「お前が、お前らが迎えにきてくれたお陰で、俺は大切なもんに気づけた。」








そっとクロの手をとる








そういえば、俺がGhostに負けて起きた時もお前がいたっけ








「……あの時と逆やないか。」








なぁ、早く目を覚ましてくれよ








お礼が言いたいんだ








ちゃんと、ありがとうって








クロの手を握ると、握り返してくれたような気がした








「……クロ……?」








閉じられていた瞼がゆっくりと開く








そしてその瞳は俺のとぶつかって








あぁ、言わなきゃ……って思ったのに








君はゆっくりと微笑んで言った








「慧、おかえり。」








たくさん言いたいことあったのに全部吹き飛んで








ただ一言








「……ただいま。」








まさかお前に救われるとは思ってなかったけど








俺を救ってくれて……ありがとう