(慧side)
規則正しい機械音を耳にしながら、俺はベッド脇の椅子でただただ願い続ける
神様、この子を助けてくださいと
そこに眠るのは俺を救ってくれた女の子
あれから3日経つが、未だに起きる気配はない
あぁ……俺は誰も救えない
自分でも分かっていたはずだったのに
自分の愚かさには呆れた
諦めていたはずだったのに
俺は死に場所を探してこっちの世界に入った
だから拳銃を向けられた時、
"あぁ、これで償える"って思った
それなのに、"こいつらと一緒にいたい"って思っちまったんだ
そのせいで……そう願ってしまったせいで
俺はまた誰かを傷つけた
「……んで……なんで俺なんかを庇ったんや……。」
俺がクロが仲間になるのを認めなかったのは、クロが真っ直ぐだったからだ
俺たちと、ただ真っ直ぐに接してくれた
それが怖かった
いつかクロは仲間のために自分を犠牲にするんじゃないかって
凜の時も……今回もそうだったように
俺は誰かに救ってもらえるような人間じゃない
なぁ、クロ
お前は……こんな俺でも救うに値するやつだと思ったのか?
お前……俺のどこ見てたんだよ……っ
お前が目を覚ましてくれないと、それも聞けねえじゃねえか……
俺は……どうしたらこんな自分とさよならできる?


