消極的に一直線。【完】

 ◆◇◆◇


 翌日。随分と早く、待ち合わせ場所に来てしまった。

 腕時計に目をやると、九時半を少し過ぎたぐらい。

 スーパーは十時から営業のようで、人は、二、三人通り過ぎる程度しかいない。


 こんな早くから待ち合わせ場所に来たって、倖子ちゃんが来るまでは会えないのに。

 それでも、そわそわと落ち着かなくて、早くに家を出てきてしまった。


 待つ時間がとても長く感じる。

 そういえば、待ち合わせをするのも初めてだ。

 鈴葉ちゃんとは、会えば一緒に話したりしていたけれど、わざわざ会うために待ち合わせしたことはなかった。


 待ち合わせって、こんな感じなんだ。

 落ち着かなくて、少し緊張もして、時間が早く過ぎてほしいのに、とてつもなく長く感じる。


 ぴゅーっと冷たい風が肌を叩きつけてきて、思わずマフラーに顔を半分埋めた。

 服装は、後で倖子ちゃんと決めるから、と適当にセーターにジーパン。

 寒さの対策のために、コートにマフラー、手袋と、腹巻もしてる。


 寒くて、手袋をはめた手をコートの袖にひっこめた。

 また、ぴゅーっと冷たい風が吹き抜けて、腰まであるおさげが頬を叩く。


「雫!」


 通路のある右側から、聞き慣れた声が飛んできて、勢いよく顔を向けた。

 予想通り、そこにいたのは倖子ちゃん。


「あたしの方が早いと思ったのに」


 そう笑って、大きな紙袋を二つも肩からぶら下げながら駆け寄ってきた。


「寒いし、行こっか」


「うん」



 道中、倖子ちゃんの荷物があまりにも重そうだったから、思い切って「私も一つ持つ」と言うと、倖子ちゃんは嬉しそうに笑った。