消極的に一直線。【完】

第4章 恋愛感情



 体育祭が終わると、すぐに文化祭がやってきて、一年生は合唱しかできなかったけど、それなりに楽しんで、文化祭も終わった。

 
 秋だと思っていた季節は、いつの間にかじんじんと身に染みる寒さになり、十二月。

 期末試験が迫ってきていた。


「今日からテスト一週間前かぁ……」


 昼休み、教室の隅で机を二つくっつけ、ひろげたお弁当箱をお箸でつつきながら、倖子ちゃんが言った。

 もうすっかりと、こうやって倖子ちゃんと一緒にお弁当を食べることが、自然になっている。


「雫って結構成績いいんだっけ?」


 倖子ちゃんに訊かれて、少し考えた。

 学期末にもらう通知表は、体育以外、五段階評価の五しかない。

 でも定期テストは、いつも平均より少しいいぐらいの点数だ。


「テストは、平均よりは上、ぐらいかもしれない」


 答えると、倖子ちゃんは、そっかー、とウインナーを口に入れる。

 んー、と唸りながら口をもぐもぐと動かす倖子ちゃん。

 ごくり、と喉から音が聞こえて、またお弁当箱をお箸でつついた。


「んじゃさ、放課後、一緒に図書室で勉強しない?」


 中間の二の舞だけはごめんだし、と苦い顔を浮かべる。


「あたしさ、部活ないと遊んじゃうんだよね。お願い、雫」


 懇願されるように手を合わせて言われて、私は慌てて頷いた。


「まじで? ありがとー!」


 倖子ちゃんはそう声をあげて、またもう一つ、ウインナーを口に入れた。


 お願いされて承諾したような形になったけど、むしろそんなこと、私の方から頼みたいぐらい。

 放課後に、図書室で、友達と勉強。今まではどんなに妄想しても、夢のなかでしか叶わなかったようなこと。

 勉強は、嫌いではないけれど、友達と一緒にする勉強は、少し楽しかったりするのかな。


「今日からテスト始まるまで一週間、よろしく!」
 

 倖子ちゃんは張り切って、さっきまでなかなか進まなかった食事を進めた。