「ねーねー、哀咲さんって真内くんと付き合ってんの?」


「え、」



いきなり話題が不思議な方向に飛んで、驚いて思わず声が出た。



問いかけてきたのは、大西さん。



「え、大西、それどーゆーこと?」



さっきまで「早く枡屋に告りなよー」とかケイコちゃんに詰め寄ってた佐々木さんが、今度は大西さんと私に視線を向けた。



「クラス会でカラオケ行ったじゃん? あの時、哀咲さん、真内くんと一緒に待ち合わせ場所まで来てたんだよ」



大西さんの代わりに、今度は笹野さんが答えた。



「えーマジで!?」



そういえばそうだったなぁと思い返す。



あの頃は、例のナイフを突きつけてきた男の人から身を守る為に、出かける時はいつもテーブルゲーム部の人達が一緒にいてくれたから。



「真内くんと付き合ってるから颯見のことフったんだー!」



誰かが納得したように言った。