消極的に一直線。【完】

 ◆◇◆◇
 

 放課後になり、また練習が始まる。

 運動場は賑やかで、あちこちから大縄を練習しているハツラツとした声が聞こえてくる。


「今日こそ最低十歩。頑張るよ」


 寺泉さんが声をかけると、大西さんが重く口を開いた。


「あのさ、」


 張り詰めた空気が漂う。


「上手くいかない原因、誰だかわかるよね」


 その言葉に、ハッと佐藤さんと笹野さんが大西さんを見る。

 心臓が嫌な音を立てる。


「合わせる気ない人のせいで、あたしらが何回も練習しなきゃいけないの嫌なんだけど」


 大西さんの視線が、真っ直ぐ――私に向いた。