クラス会はとても賑やかに盛り上がって、楽しく時間が過ぎていく。



飲んでいたオレンジジュースが空になって、飲み物を入れてこようと部屋を出た。



部屋のドアが閉まった瞬間に、賑やかさから隔離された空間になる。



両隣にドアが並ぶ廊下を歩いていく。



このドアの向こうで、みんなそれぞれに、楽しい時間を過ごしているんだ。



そんな当たり前のことを考えながら、飲み物を入れる機械にたどり着く。



コップを置いて、オレンジジュースのボタンを押した。



「オレンジジュース、好きなの?」



その声に、トクンと胸が鳴って、はっと振り返る。



「俺も、コーラなくなったから入れに来た」



そう言って空のコップを見せた颯見くんに、また胸が鳴った。



颯見くんが、こんなに近くにいる。



他に人はいない。

私と颯見くんの二人きり。



たったそれだけのことで、鼓動がうるさくなる。



「哀咲と同じクラスになれて、よかった」



颯見くんの視線が真っ直ぐ刺さって、動けなくなった。



体が心臓に支配されたみたいに、ドクドクと脈を打つ。