一年十二組の教室の前まで来て、やっと足が止まった。走ることなんてあまりないから、胸が苦しい。
教室の前で立ち止まったまま、荒い息を落ち着かせる。
ガラガラっと教室の戸を開けると、中には誰もいなかった。
そうか、今日はいつもより早く登校したんだった。
中に入り、戸を後ろ手に閉めて、まっすぐ自分の席へ向かった。
椅子に座って、数学のワークを鞄から取り出そうと手を延ばしたけど、すぐにその手を引っ込めた。
なんだか、勉強する気になれない。さっきの二人の姿が、ふっと頭に浮かんでくる。
私、いったいどうしたんだろう。逃げるみたいに走ったりして。
あの彼が“アラシ”くんだったことが、そんなに衝撃的だったのかな。そこまで驚くことだったのかな。
せっかく、この朝の時間のために用意していた数学のワークは、一度も鞄から取り出されることはなかった。
教室の前で立ち止まったまま、荒い息を落ち着かせる。
ガラガラっと教室の戸を開けると、中には誰もいなかった。
そうか、今日はいつもより早く登校したんだった。
中に入り、戸を後ろ手に閉めて、まっすぐ自分の席へ向かった。
椅子に座って、数学のワークを鞄から取り出そうと手を延ばしたけど、すぐにその手を引っ込めた。
なんだか、勉強する気になれない。さっきの二人の姿が、ふっと頭に浮かんでくる。
私、いったいどうしたんだろう。逃げるみたいに走ったりして。
あの彼が“アラシ”くんだったことが、そんなに衝撃的だったのかな。そこまで驚くことだったのかな。
せっかく、この朝の時間のために用意していた数学のワークは、一度も鞄から取り出されることはなかった。
