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「え、あの科学研究部に入っちゃったの!?」


 休み時間。倖子ちゃんに昨日のことを話すと、倖子ちゃんは教室中に響くような声で叫んだ。


「変人の集まりだよ、大丈夫!? ってかその化学物質って何!? 体大丈夫なの!?」


 叫ぶ倖子ちゃんの口を思わず塞ぐと、あごめん、と小さな声が返ってきて、そっと口を解放する。

 はぁ、と倖子ちゃんが息を吐いた。

 
「まぁ雫が良ければいいんだけどさ。その人たちとは上手くやっていけそうなの?」


「……う、ん」


「歯切れ悪いけど本当に大丈夫? 何かされたら言いなよ」


 そう言ってフッと笑った倖子ちゃんが視線を変えたかと思うと、ハッと表情を変えてもう一度私を見た。


「雫、颯見が来た」


 そう言って廊下に目をやった倖子ちゃんの、その視線の先をたどる。