翌朝。玄関で、ローファーを履いて、行ってきまーす、とドアを開けると、家の前に並ぶ四つの影。


「哀咲さん、おはよー!」


 立ち尽くす私の隣に、ふわふわのボブを揺らしながら、吉澄さんが並んだ。

 そういえば、登下校も一緒にって言われていたんだったかな。


「カラダ、何も異常はなーい?」


 訊かれて頷くと、吉澄さんは柔らかく笑顔を向けた。
 

「よし、早く行こうぜー」


 大柄な身体を動かして、西盛くんが、お菓子の袋片手に歩き出す。


「おい重太、歩く時ぐらいお菓子食べるのやめなよ」
 

 洲刈くんが、呆れたように息を吐いて、西盛くんの後に続き足を進める。

 その隣にいた背の高い真内くんは、無言のまま本を鞄にしまって歩き始めた。


「行こっ」


 吉澄さんに手を引っ張られて、私も歩き出す。