翌日の放課後、いつもと同じように、部活に行く倖子ちゃんに別れを告げて、鞄に教科書を詰めていく。
あのボブの子には何も伝えられないままだったな。倖子ちゃんには、返せたんだからいいじゃん、と言われたけれど。
そんなことを思いながら、鞄を持ち上げ、廊下を出た瞬間、グイッと腕を誰かに引かれた。
「哀咲さんっ」
私の腕に絡まりひょこっと顔を覗かせたのは、昨日のボブの女の子だった。
「哀咲雫さん、で合ってるよねっ」
ピョンピョン飛びながら私の腕に絡みつく彼女に、どうして私の名前を知ってるんだろう、なんて考えながら頷く。
もしかして、私が物体を持っていた理由をもう一度聞きにきたのかな。
「ねぇ、哀咲さん、科学研究部に入ってくれない?」
だけど言われた言葉は想像の斜め上をいっていて、思わず、え、と声を漏らした。
「部活、入ってないよね?」
ずいっと顔を寄せて訊かれて、思わず頷きながら、どうして部活に入ってないことも知ってるんだろう、と視線を向ける。
彼女は愛嬌のある笑顔でニコッと微笑んだ。
「あ、ごめんね、哀咲さんのことちょっと調べちゃった」
言われた言葉に一瞬体が固まった。
名前や部活に入っているかどうかを調べるのは、ごく普通のことなのかな。つい最近までクラスに友達がいなかった私には、よくわからない。
「ね、だから、科学研究部、入ってくれるよね! しばらくの間だけでいいの!」
言いながら強引に私の腕を引くボブの女の子。抵抗する意味もなく、引かれるまま足を運ぶ。
あのボブの子には何も伝えられないままだったな。倖子ちゃんには、返せたんだからいいじゃん、と言われたけれど。
そんなことを思いながら、鞄を持ち上げ、廊下を出た瞬間、グイッと腕を誰かに引かれた。
「哀咲さんっ」
私の腕に絡まりひょこっと顔を覗かせたのは、昨日のボブの女の子だった。
「哀咲雫さん、で合ってるよねっ」
ピョンピョン飛びながら私の腕に絡みつく彼女に、どうして私の名前を知ってるんだろう、なんて考えながら頷く。
もしかして、私が物体を持っていた理由をもう一度聞きにきたのかな。
「ねぇ、哀咲さん、科学研究部に入ってくれない?」
だけど言われた言葉は想像の斜め上をいっていて、思わず、え、と声を漏らした。
「部活、入ってないよね?」
ずいっと顔を寄せて訊かれて、思わず頷きながら、どうして部活に入ってないことも知ってるんだろう、と視線を向ける。
彼女は愛嬌のある笑顔でニコッと微笑んだ。
「あ、ごめんね、哀咲さんのことちょっと調べちゃった」
言われた言葉に一瞬体が固まった。
名前や部活に入っているかどうかを調べるのは、ごく普通のことなのかな。つい最近までクラスに友達がいなかった私には、よくわからない。
「ね、だから、科学研究部、入ってくれるよね! しばらくの間だけでいいの!」
言いながら強引に私の腕を引くボブの女の子。抵抗する意味もなく、引かれるまま足を運ぶ。
